まっしろ

一昨日、4/9、本屋大賞の発表会に書店員として参加した。そんな楽しくも大変だったできごとがあったけれど、それより今は気持ちが落ち込んでいる。


もう秋ごろからこの流れの繰り返しで、自分もぐったりしてしまう。

変えられない過去に思いを馳せ、大きくため息を吐き、自分はどこで間違ったのかを延々と考えては答えのない答えを求めようとする。そして何も変わらない、変えることが出来ない日常から消えたくなる。

そんな話を立場も違う数名に話している。

そのうちの一人から「過去はもう変えられないのだから、未来を考えてみてはどうか」と。

「それもそうだな」と素直に思った。本当に未来のことなど眼中になかったから。

目をつむって考えてみた。

まっしろだった。

何も思いつかなかった。

なにがしたい? なにがほしい? どうなってたい?

この質問に何も答えることができなかった。

昔なら「小説家になりたい」だとか「あれが欲しい」とか「あれが食べたい」とか、言えたはずなのに、なにも浮かばなかった。

自分でも驚いたし愕然とした。

なにもしたくない。もう間違いを犯したくないから。世界を曲げたくないから。わたしのやることなすことすべて間違っている気がして。正解はないんだよ、今のままで、この人生で良いんだよ。もう一人の自分が言うけれど、納得できない。これは生きたかった世界線じゃない。こんなはずじゃなかった。

じゃあ、しんだらいい。その通りだ。

友達からも言われた。「死ぬ気があるなら、私ならもっと必死に死に方を探すけど」と。わたしには本気が足りない。友達にヒントももらったのに、途中で探すのをやめてしまっている。

死にたくない気持ちが強いんだな。でも、死ぬしかこの苦しい気持ちはどうにも抑えられない気がしている。なにがしんどいのか、何度もノートに書き連ねて、全ては別々の問題だと思っているのに、全てを混ぜてしまって勝手に苦しんでいる。アホだ。

自分が「違うよ」「そんなことないよ」って言ってるのに、それに耳を塞ぐ自分がいる。

今日も今日とて自分で自分を傷つけている。救いなんてない。あるとするのなら、それは「革命」のようなことが起きなければわたしは救われない。でも、そんなことは起きないのが人生なのだ。コツコツ生きるほかない。二段飛ばしで生きることなど出来ない。それなのに、わたしは革命をひたすらに願う。わがままだ。

もし死んでも誰も葬式に来ないだろうからしないでほしい。家族をそう言う面で信用してないので、友達も誰にも彼にも連絡はいかないだろうし。死ぬときはどうせ一人なのだから、葬式なんて……。結婚式だって本当は「こういうことしたいな」なんて思い描いたことはあるけど、わたしにはそんな人脈も、完遂する力もないからなしにしたっていうのに。

当たり前というかよくある人生の進み方が出来なかった。このご時世に「よくある人生」ってなんだよって話だけど。わたしの好きだった人がその「よくある人生」のレールに乗ったのが、そして、わたしがその人と乗ることが出来なかったことに改めて気づいてしまったあの日から、もうだめだった。わたしの無知加減にも毎日愕然としてしまう。もういやだな。革命が起きればいいのに。そう思いながら、本を過去最大に読み漁り、酒を飲み、頭をふやかさないと眠れなくなってしまった。昔から冷静さにかけ、未だにおっちょこちょいと言われれば可愛いが、ただの無能なアホなのだ。なんで深く物事をとらえずに、のうのう生きてたんだろう。過去に戻りたい。切実に戻りたい。やりなおしたい。

星降る夜明けのスワン

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