生理痛の果て、救急搬送された人

※タイトル通り「痛い話」なので、体調の優れない人とかそう言う話苦手な人はページを閉じて、各自癒される画像などを見に行ってください。

初潮が来てから、今の今まで生理痛との戦いを繰り広げてきた。

第1回目より激しい腹痛でのたうち回り、当時ロキソニンは病院に行かないと処方されない薬だったため、内科に何時間も並び、時には母が代理でもらいに行ってくれ、それがないと生活できない。切らした時には絶望。バファリンがなぜか効かないため、薬がもらえるまで涙を流しながら床に就く。

とはいえ、ロキソニンも万能ではない。

飲むタイミングや、飲んでいても痛みに耐えきれないことは多々あり、ある日は学校、ある日は駅のホーム、ある日は映画館・上映後に倒れたことがある。そのたびに友人たちに救っていただき、感謝しかない……。

一番きついのが、就寝中に激痛で起きる→トイレで嘔吐と下痢、めまい、全身から脂汗・冷や汗、体温が急激に下がる・意識が朦朧→力尽きてズボン上げれずそのまま床で眠る。不思議なことに目覚めるとケロッとしていて、冷静な状態で汗と血で汚れた床を拭き、風呂に入りなおす。

この一番きつい症状はいつも家で発症(?)していたので「たまに起きる最悪なこと」として毎回処理していた。家族からも「家だからよかったけど」と何度言われたことか。


そんな人生を送っている自分ですが、先月末についにこの日がやって来てしまった。

その日の朝、生理がきた。だいたい周期通りで覚悟はしていたから、そこは何の問題もなかった。

ここ最近一年の傾向として、薬の服用回数がぐんと減少していた。「痛い」と感じてから飲んでも(それが正しい服用方法であるのだけれど、わたしの場合それだと遅い場合があり、生理が発覚した時点で一回飲むのが恒例となっていた)、手遅れになることなくしっかりと効いていて、一日に一回でも全く問題ない、むしろ痛みが昔より和らいでいて飲まなくて全然いいリズムになっていた。その日も全く痛みが来なくて、「これはいける」と判断。ただ薬は忘れず所持し、夕方職場へ。

この日のシフトは、遅い時間からの出勤・休憩なしの5時間弱というものだったから、他の曜日よりはすぐ帰れるという安心感があった。働いている途中から、やや腹部に痛みは感じていたものの、薬を飲むほどではないと感じ、そもそも薬を飲むための軽食を買うのを忘れていたから、飲むに飲めない状況でもあった。

わたしは「大丈夫」と言い聞かせ、無事に閉店時間(22時ごろ)を迎える。レジ締めも終わり、あと少しというところだった。他のスタッフと談笑していると、急激に腹部の痛みが強くなって、吐き気を感じ始めた。

「あ。これまずい」

慌てて事務所の中に入りカバンを手に取る。店内から事務所へ入る、1分もかからない移動の間に冷や汗が止まらない。立っていられなくなり、社員さんが主に使うデスクに座ってカバンの中から薬を探す。

途中、ファイルを片付けにやってきたスタッフAに「ちょっとめまいがするので座って、薬探してます」と一言かけておいた。すぐに薬を入れてるケースが見つかり、その人が「わかりました」と店内に戻った瞬間だった。

ブツッ。一瞬目の前が真っ黒になり、ゆっくりと自分の身体が右に傾き始める。

「なにしてんの!? あぶない!」と脳内で思うことは出来た。だけど、身体が一切反応しない。そのまま、右側に設置されていた金庫に頭を強打。よくかき氷食べた時に頭がキーンとなるのを「割われそう」と思ったものだが、本当の割われそうはそんなんの比じゃないんだなぁって呑気な感想もありつつも、言葉に出来ない痛み。そして、そのままコンクリートむき出しの床に右後頭部から着地。

ここから数秒(数分)記憶がない。次、目が覚めた時、視界はぼやけ、聞こえる音がすべて歪んでいた。それでもさっきのように身体の指示は脳から行ってるようで、ゆっくり上体を起こす。それ以上なにもできない。腹部と頭の痛み、全身を流れて止まらない冷や汗、吐き気で声出ない。この時、震える手で床に落ちてたピルケースからロキソニンを取り出し飲み込んだ。今になったらこんな時に鎮静剤なんて飲むなって話だったんやけど(生理痛か頭痛なのかわからなくなるから)、混乱してたんだよね……。でも、この時点で無理やり飲んだおかげか、帰宅まで下腹部の痛みに耐えれた部分はある……。

三角座りでうなだれていると、スタッフAがやってきた。たぶん金庫にお金を入れるためだったんだと思う。

「え、大丈夫ですか!?」

「すいません、椅子から落ちて、金庫に頭ぶつけて……立てなくて……」

なんとか声を絞り出して、SOS。

スタッフB、社員さんが慌ててやって来て、全員に状況説明。

スタッフAさんに定期入れに入れている旦那の電話番号を書いたメモ用紙を渡し、「到底一人では帰れないから連絡してほしい」と頼む。その日旦那も夜番の仕事で、あと三十分ほどでこの店の近くを通り駅へ向かうことがわかっていたからだ。無事に連絡が付き、迎えに来てもらえることになった。

安堵したのもつかの間、腹部の痛みと吐き気が強くなってしまう。

唯一の女性スタッフBが同行し、トイレへ。勤務中に一度トイレには立ってたけど、それにしてもいつもより出血量が多くて怖かった。(これはなぜなのか、未だにわからん)

吐き気と腹痛が少しおさまるまでと思い、個室に入ったが、何分いたのかはわからない。スタッフBは何回もドアを叩いて意識があるか確認してくれていた。そのおかげでまた失神することがなかったのかもしれない。

トイレから帰る道すがら、スタッフBに「これは旦那が来ても帰れないかもしれない。救急車を呼んでもらえないか」と頼む。

スタッフBから社員さんに伝えてもらい、救急車を手配してもらう。その間に旦那が到着。その頃には完全に身体を起こすことが出来なくなり、段ボールを敷き詰めてもらいそこに力なく横たわっていた。何度も家で倒れているのを見ている旦那でも今回の倒れ方は尋常じゃないと思ったらしい。まあ、頭打ってるからな……。

そのあと五分もかからないうちに救急隊員の人たちが入って来た。視界はややぼんやりとしていて、でも意識ははっきりしてたから受け答え出来てたはず。自分で確認できなかった頭部を確認してもらう。血は出てないのはわかってたけど、「生え際あたり、変色してるね」とのことだった。

大量の汗が急にひき、やってきた寒さで凍えながら担架で運ばれ、救急車の中へ。

救急隊員さんの受け答えしつつ、この頃には視界も聴力も元に戻ったので「救急車の中身観察しとかな! 創作で必要になるかも」と思うほどに。しかし、身体の震えが止まらないし、ベルトで固定されてたので、早々に断念。

運よく、車で2~3分の病院が受け入れオッケーしてくれたらしく、あっという間に搬送された。

そのあとは軽めに触診、CT撮って、旦那と一緒に検査結果聞いた。問題なしだった。心の奥底から安堵した。

とはいえ、「しばらくは安静に。異変が起きたらすぐ受診」。

そうしてタクシーで深夜1時半ごろに帰宅。23時くらいに救急車呼んでるので2時間ちょいほどの出来事なのに、まる一日くらいすぎたように思えた。

運よく翌日はわたしも旦那も休みで各所に無事を連絡。こういう時に限って予定がボチボチあり、美容室には日程変更の連絡、手渡しでグッズ交換約束してた方には郵送に変更してもらいと本当に多方面にご迷惑をおかけしてしまった。皆さん良い方ばかりで心救われた。

わたしは加えて2日ほどお休みいただいたものの、普通に生理痛でダウン。そのうえ、腰や首が痛み始め、休みとはいえ寝てばかりいた。そのおかげで復帰もうまくいったので、しんどい時は休むに限るんだろうな……。そして今に至る。

一応、職場・勤務中の体調不良だったので、労災認定され、お金の面は問題なく終了し、かなりホッとした。(誤って保険証で払ったが、ちゃんと書類申請したらすぐ返って来た)


わたしは、過去に胃腸炎で入院、インフルエンザ・ノロウイルス・コロナウイルスも罹ってきましたが、まさか月に1回いつも襲われている生理痛の限界を突破してしまった果てに、頭を2回もぶつけるという危険な事態に自らを追い込んでしまって……正直油断してたなと反省……。

ちなみに生理痛に関しては20歳すぎたあたりから4~5か所婦人科で相談や検診しております。が、子宮には異常なし。経血の量が人より多いことが原因とのこと。生まれつきの体質ということらしく。かといって、ピルなどで量を減らす・月経スキップをするのは、不規則な生活(出勤時間が全部違うから、食事する時間も毎日全然違う)なので、規則正しい服薬がとてつもなく難しい。それにたぶんこの自然のリズム崩したら崩したで他の問題が発生しそうな、ガタガタ身体なので。もうこれで生きていくしかないのだなあと改めて思った……。


みんなも生理痛は我慢ダメだぞ!我慢しすぎたらこんな感じに余計なケガをする原因にもなるぞ!気をつけよう!

星降る夜明けのスワン

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